伝統を体験する
私たちが住む北部スウェーデンの片田舎であるこの地域は、その昔亜麻の生産で有名だったそうで。
今では日本でも多くの代理店が取り扱う高級リネンブランド「VäxboLin」の工場があるのもここヘルシングランドなのです。
そういうバックグラウンドもあってかこの地域にはおばあさんたちが集まる「織物クラブ」なるものがあります。若い頃に織りもので生計を立てていたプロに教わりながら昔ながらの織り機で作品を織り込んでいく。使う色や織る柄を考えながら無心になって糸を重ねる時間は忙しい現代社会ではなかなか持つことのできない貴重な時間だと思います。
今回。
そんな貴重な体験をしに行ってきました。
実はご縁があって自宅にもそれは古い織り機があるのですが中々作業時間が取れない上に他のことが目についてしまって集中できないもの。
環境って大事ですね(笑)
今回作品に使ったのはカラフルな毛糸たち。
当たり前ですがどこに何色を使うかででき上がりの雰囲気が全く変わります。
出来上がりを想像しながら糸を選ぶ瞬間はキャンディーショップでどれを買おうかと目をキラキラさせてる子供の心境です。
この糸を横糸として足のペダルと糸を通す順番で模様を織っていきます。
・・・・・の前の下準備。
上の大きい系と玉のままでは縦糸の間を通せません。専用の「横糸通し」にセットできるように専用の糸巻機を使って糸を巻きます。
こんな風に↑。
出来上がった糸巻はこの「横糸通し」にセットして「模様表」を参考にしながら織り込んでいきます。
何色を何回織ったか、今自分がこの「模様表」のどこを織っているのか。
集中しないとすぐ迷子になります・・・・。
こんな作業を人とおしゃべりしながらやってしまうおばあさんたちの頭の中は一体どうなっているのでしょうか(笑)
亀のような歩みでたかだか10㎝弱の織物を2時間半ほどかけて織りあげました。
完成したものは↓
こんな風に小さな額縁として飾ることにします。
小さな小人と赤い家。
スウェーデンのおとぎ話を切り取ったような作品は北欧の雰囲気を含んだ愛おしい作品。
DinMin共和国のショップでも販売しましたがあっという間に完売。
私たちが「かわいい」と思ったものをお客様と共有できる瞬間はいつもたまらなく嬉しいものです。
実際生活してるから分かること、できる体験。
そんな事もシェアしていけたらきっと楽しいだろうな。
いつかこの小さな町で皆様にお会いできる日が来たら素敵だな。
そんな事を考えながらワクワクするのも活動へのエネルギーになります。
スウェーデンに住む友達のうちに遊びに行く感覚の疑似体験はこちらから。